特定技能外国人への「義務的支援」とは|フィリピン人への支援の例も紹介
特定技能1号の外国人を雇用する企業には、法律で定められた「義務的支援」を確実に実施することが求められます。しかし、その支援内容は多岐にわたり、専門的な知識や言語対応が必要となるため、どのように体制を整えるべきか悩む企業も少なくありません。
こちらでは、特定技能外国人の受け入れ企業が実施しなければならない支援の内容、登録支援機関を活用するメリット、フィリピン人材が日本で安心して働くためのサポートについて、解説します。
受け入れ態勢を整備するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
特定技能制度における企業が負う「義務的支援」とは
特定技能1号外国人を雇用する場合、受け入れ企業(特定技能所属機関)は、職業生活だけでなく、日常生活や社会生活上の支援をおこなう義務があります。これは、外国人が日本での活動を、安定的かつ円滑におこなえるようにするための制度です。
特定技能1号外国人に対する10項目の義務的支援内容
法律で定められている支援項目は、大きく分けて10項目存在します。
- 入国前の事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住居確保の支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続きの同行
- 日本語学習の機会提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(会社都合の場合)
- 定期的な面談・行政への報告
これらはすべて必須項目であり、1つでも欠けると法令違反となる可能性があるため、各項目の詳細を正しく理解しておく必要があります。
事前ガイダンスから入国時の送迎・生活オリエンテーションの実施
支援は雇用契約締結後、入国する前から始まります。事前ガイダンスでは、労働条件や日本での活動内容について、本人が理解できる言語で説明をおこないます。入国時には空港への出迎えをおこない、その後速やかに生活オリエンテーションを実施します。ここでは、ゴミの出し方や交通機関の利用方法、緊急時の連絡先など、日本で生活するための基礎知識を、8時間以上かけて丁寧に教えることが求められます。
公的手続きの同行や相談・苦情対応等の体制整備
入国後は、役所での住民登録や銀行口座の開設、携帯電話の契約といった手続きに同行し、サポートをおこなう必要があります。また、仕事や生活に関する相談、苦情に適切に対応できる相談体制の構築も不可欠です。これらの相談対応は、外国人が十分に理解できる言語でおこなう必要があり、平日だけでなく休日や夜間の緊急時にも、連絡が取れる体制にしておくことが望ましいとされています。
日本人との交流促進と非自発的離職時の転職支援
地域社会とのつながりを作るため、自治会や地域のイベントへの参加を案内し、日本人との交流を促進することも支援の1つです。また、万が一企業の都合で雇用契約を解除しなければならない場合は、次の受け入れ先を探すための転職支援をおこなう義務が生じます。推薦状の作成や求職活動のための有給休暇の付与など、特定技能外国人が路頭に迷うことがないよう、責任を持ってサポートしなければなりません。
登録支援機関を利用することで支援業務はどう変わる
前述した義務的支援は、すべて自社で実施することも可能ですが、専門的なノウハウが必要なため、多くの企業が「登録支援機関」に業務を委託します。
支援計画の作成から実施までをプロに委託するメリット
登録支援機関に支援業務の全部を委託することで、企業は複雑な支援計画書の作成や、多言語での相談対応といった負担から解放されます。登録支援機関は支援のプロフェッショナルであり、法改正や最新の行政手続きにも精通しています。そのため、書類の不備や支援の実施漏れといったリスクを回避でき、コンプライアンスを遵守した受け入れが可能となります。
自社支援と登録支援機関への委託の比較
自社で支援をおこなう場合、委託費用はかかりませんが、支援責任者や担当者の人件費、通訳の手配コストが発生します。一方、登録支援機関へ委託する場合は、月額の管理費や委託料が必要となります。判断の基準としては、社内に外国語が堪能で、かつ生活サポートまで対応できる専任スタッフがいるかどうかがポイントです。初めて特定技能外国人を受け入れる場合や、社内リソースが不足する場合は、委託を選択するほうが安全かつスムーズです。
支援責任者・支援担当者の選任要件と企業の負担軽減
自社で支援をおこなうには、「支援責任者」および「支援担当者」を選任する必要があります。これには、「過去2年以内に中長期在留外国人の生活相談業務に従事した経験があること」などの、厳格な要件が設けられています。また、支援担当者は、特定技能外国人を指揮命令する立場にある人は兼任できないという中立性の規定もあります。これらの要件を満たす人材を確保・育成するコストを考えると、委託による負担軽減効果は非常に大きいといえます。
特定技能人材が安心して働き続けるためのサポート
義務的支援の中でも、住居と日本語学習は、外国人の生活の質と業務パフォーマンスに直結する重要な要素です。こちらでは、具体的なサポートについて解説します。
住居確保支援における広さや設備の基準と契約形態
住居については、1人あたり7.5平方メートル以上の居室面積を確保する必要があります。また、風呂、トイレ、台所などの設備が整っていることも必須条件です。契約形態としては、企業が社宅として借り上げて貸与するパターンや、外国人が契約者となり、企業が連帯保証人になるパターンがあります。家賃を給与から控除する場合は、近隣の相場と比較して不当に高額でないことが求められる他、本人との合意(労使協定等)も必要です。
業務や生活に必要な日本語習得を支える学習機会の提供
特定技能外国人は一定の日本語能力を持っていますが、業務の円滑化や生活の安全確保のためには、継続的な学習が欠かせません。企業や登録支援機関は、地域の日本語教室に関する情報提供や、オンライン教材の案内、あるいは社内で日本語学習会を開催するなどの機会を提供する義務があります。日本語能力が向上することで、業務ミスが減少し、日本人従業員とのコミュニケーションも活発になるため、積極的に支援することが望ましいです。
フィリピン人特有の文化やコミュニティに配慮した生活サポート
フィリピン人は、家族の絆を大切にする方が多いです。そのため、母国の家族と頻繁に連絡が取れるよう、入居後すぐにWi-Fi環境を整えるサポートは喜ばれます。また、多くのフィリピン人がカトリック教徒であるため、日曜日に礼拝に行ける教会の場所を案内するなど、宗教観や文化への配慮も大切です。同郷のコミュニティと健全につながれるよう配慮することで、ホームシックを防ぎ、精神的な安定を図れます。
定期的な面談と行政機関への通報・届出義務の遵守
支援実施の証として、3ヶ月に1回以上の頻度で、支援責任者または担当者が外国人本人と直接面談をおこなうことが義務付けられています。この面談では、生活状況や労働環境に問題がないかを確認し、その結果を入管庁へ定期的に届け出なければなりません。もし労働基準法違反などの不正を知った場合は、関係行政機関へ通報する義務も負います。これらの定期的なモニタリングは、トラブルの芽を早期に摘み取り、健全な雇用環境を維持するために不可欠です。
特定技能外国人の支援は、合同会社フィリピン投資研究所にご相談ください
特定技能外国人に安心して日本で働いてもらうためには、複雑な支援業務を適切におこなうための、専門的なノウハウが必要不可欠です。
特定技能外国人の採用と、支援体制の構築をお考えなら、合同会社フィリピン投資研究所にご相談ください。合同会社フィリピン投資研究所では、ビザ申請代行から入国後の生活サポート、日本語教育までをワンストップで提供しております。また、合同会社フィリピン投資研究所はフィリピン人材に特化しています。ですので、文化背景を理解したきめ細やかな支援がおこなえます。
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